職業訓練60年の足跡

 十勝・帯広における職業訓練の歴史は、昭和28年の板金技能者養成所開設がはじまりと言われています。昭和33年には職業訓練法が制定され、総合的な職業訓練制度が確立、この地域においても建築、塗装、木工、左官などの職業別訓練校が続々と開設されました。
 今日の技能検定制度は昭和34年に創設され同39年には、事業内訓練と技能検定の推進を目的として北海道技能訓練協会が設立、同時に帯広支部も発足しました。この支部が昭和52年設立の帯広職業訓練協会に発展し、現在の帯広地方職業能力開発協会となりました。
 発足当初は、訓練の場所確保もままならず、小学校の教室を借りての夜間講義やお寺の境内での実習、そして各事業所持ちまわりでの集合訓練などの記録が残っています。もちろん専門の指導員もいなく、事業主がみんなで訓練指導を行っていました。
 高度経済成長が続き時代は多くの職人を求めていました。昭和40年代に入ると訓練校も隆盛を極め43年度の修了生は実に284名にものぼりました。大工64、木工45、左官20、溶接19、塗装18、電気18、とび17など訓練校は熱気にあふれていました。
 地域にあって今日までこの業界を支えてきたのはこうして苦労して技能を学んだ方々であり、今でもその血が脈々と流れています。
 時代は大きく変わりましたが、職人の卓越した技や心意気は今後も必要不可欠であり、しっかりと後世に伝えていかなければなりません。

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